2019年4月から全産業を対象に「時間外労働時間の上限規制」が適応されています。

そのなかで、自動車運転業務は急な是正が難しいことから、2024年4月1日に施行が猶予されていました。

猶予されたものの、年々荷量の増加などから、長時間労働がなかなか改善されず、法令の施行が迫っています。これが2024年問題の一つの「時間外労働時間の上限規制」です。

【一般的な法定労働時間】

・1日8時間まで（休憩時間1時間除く）

・1週間40時間まで

超過した時間が「時間外労働」とされます。

●一般的な時間外労働の上限規則

・原則として、月45時間､年360時間

　月45時間を超えることができるのは、年6ヶ月まで

●臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合

・年720時間以内（休日労働を含まない）

・月100時間未満（休日労働を含む）

・2～6カ月平均で80時間以内（休日労働を含む）

●2024年4月1日施工／自動車運転業務の時間外労働の上限規則

・年960時間以内（休日労働を含まない）

　「2～6ヵ月平均で80時間以内、月45時間を超えることができるのは年6ヶ月まで」という規制は適用されません。

☆ドライバーは「法定労働時間＋年960時間」の範囲内であれば働くことができます。

2020年4月から大企業で、2021年4月から中小企業で適用されている「同一労働同一賃金」も、

2024年4月1日から適用対象となります。

運送業で支給される手当（無事故手当、皆勤手当、作業手当など）を、

正規・非正規に関わらず支給しなければならないため、各種手当について見直しが必要になります。

2023年4月から中小企業を対象に月60時間超の時間外労働への割増賃金率が50％とされており、

ドライバーに対しても同様に適用されます（月60時間以下は従来どおり割増賃金率25％）。

これらのルールに違反した場合、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるおそれがあります。